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バンクーバー在住歴25年のHanaの個人的見解

菅さんよ、あんたの外交政策それでいいんか?

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私は台湾好き。食べ物も好きだし、台湾の人たちにも親しみを感じる。人種のモザイクのバンクーバーで、さらに80%が中国人だと言われているリッチモンドともなれば、1メートル歩けば中国人に出くわす。中国人と言っても、中国本土の人、香港人と台湾人に分けられ、それぞれ別人種と言う程かなり違う。

 

 
その中で、台湾は、日本と文化が似ていてかなり馴染みやすい。とわ言えその裏には、1931年9月18日に勃発した満州事変で、日本が台湾を占領統治した事実は無視すべきでなく、心情的にかなり複雑である。その際に、強制的に日本語が公用語となり、日本の文化が台湾本来の文化と融合したのだと思う。さらっと言ってしまえばそうだけど、その際の台湾での日本軍の行為は恥ずべきであり、バンクーバーで台湾人のお年寄りと日本語で話をする機会がある度に申し訳ないと言う気持ちになる。
 
 
話は変わるが、6月23日の「羽鳥慎一のモーニングショー」で、長崎大学大学院の森内教授が、大変興味深い発言をなさった。ちなみに話は逸れるが、私は羽鳥さんの大ファン。羽鳥さんはアナウンサーのくせに(笑)よくどもる。しかしだ、司会者として控えるところは控え、言うべきところは言い、周りの空気をよく読み、そしてフォローがうまい。アナウンサーはただすらすらと原稿が読めれば良いのではなく、行き着くところは個性であり人間性であるのだなあと羽鳥さんを見ていてそう思う。
 
 
さて、森内教授の発言に戻ろう。教授は、6月23日の放送で、アストラゼネカワクチンが常温で維持できる為、訪問接種や個人病院での接種などに対応でき、大変使いやすい良いワクチンであるとおっしゃった後、日本が外交策の一環として台湾やベトナムにこのアストラゼネカのワクチンを送ったことに関して言及された。
 
 
日本は6月4日に、コロナの急激な増加に対し、ワクチンの供給遅れで苦境にある台湾に、124万回分のアストラゼネカのワクチンを無償提供した。しかし、台湾でそのワクチンを摂取し6月20日の時点で64人の方が亡くなった。それに対し中国から、「日本は、日本人も打たないような、しかも期限切れまじかのワクチンを提供した」などと言う報道が流出した。日本の好意が、なんとも無念な結果になったではないか。アストラゼネカのワクチンを打って死者が出た事と、それが日本からの供給であったと言う事には、なんら因果関係が無い。けれど、アストラゼネカのワクチンを打って64人の方が亡くなったと言う事は事実であり、その事実が反日感情を逆撫でするために中国によって利用され、日台関係が悪化してしまうかもしれないことが残念でならない。
 
 
日本には何の非もなく、それは純粋に好意あったのに。。。それが私の最初の感想だった。
 
 
森内教授は、日本で使用していないアストラゼネカのワクチンを台湾に提供したことに関し、「自国で使用し安全が確認されたもので、しかも自国で打ち終わり、さらに余っているのでそれを他国に無償提供するというのが本来のあるべき姿だ」とおっしゃった。さらに、外交的にも、そういったワクチンでないと貢献していると言う評価を受ける事は出来ないと述べられた。
 
 
この発言は私にとって目から鱗。実際冷静に考えてみれば、自分が嫌いな物や食べ残しを人にあげる事と、自分が大好きな物を本当は食べたいんだけどそれを人に上げる事では、確かに大きな違いがある。それが親しい家族や友達であればいいけれど、これはなんて言ったって外交。この森内教授の発言が日本政府に届くことを心から願ってやまない。
 
結論として何を言いたいかと言えば、人に贈り物をする時は間違っても余ったものや安いからという理由であげてはいけないと言う事。自分の身を削ってでも自分が大好きな物を送りましょう。お後がよろしいようで。。。。