バンクーバー生活情報とあれこれ

バンクーバー在住歴25年のHanaの個人的見解

クレーマーよ、今に見とれ

チェックインカウンターで声を荒らげながら文句を言っている20歳の学生。どうも父親がエリート会員らしく、自分はいつもカウンターで席が空いていればアップグレードしてもらっていると主張する。残念ながら、ここは海外で、この空港においてオーバーソールド(座席数以上の数を売ってしまった場合)以外、フリーアップグレードなど一切行っていない。


さらに、海外では、日本ほどそうそう簡単に圧力に屈しない。出来ないものは出来ない。あそこで出来てここで出来ないと言う統一性の無さに関してはお詫びをし、さらに、他のお客様への公平性と購入してくださったお客様を尊重するという理由で、フリーアップグレードはしないと誠心誠意を込めて説明した。しかし、お坊ちゃまは、そう簡単に納得しない。

 

そのうち、ヘコヘコしない係員がお気に召さずに、あんたじゃ話にならないと、“上を出せ“と声を荒らげる若干20歳のガキ。いやいやそのガキの怒り狂う姿は、“俺様は偉いんだからお前らひざまずけ“の役員タイプのジジイのコピペで、会わずとも親の顔が見えると言うものだ。

 

近年本増えている若者クレーマー。それらに遭遇する度に、昭和のおばさんは、ひどく心が痛む。彼らを作り出したのは彼らの両親であるけれど、それをせっせと育てているのが、未だに“お客様は神様“精神が抜けきれていない日本の社会なのだ。

 

“上を出せ〜“で出て来る小さな“上“が、おおお、ハゲ丸見えだよってなくらい深々とお辞儀し、何が悪いのか分からないけれど、ただひたすら謝る。最悪なことに、さらに大盤振る舞い、何でもありーの持ってけ泥棒。要するに、ほぼほぼ、“上“とは、只々クレームに怯える護身大魔王の他ならない。

 

ホンマでっか?フロントラインが、“だめよ、無理よ、出来ません“と、そう言えと教育されているから忠実に頑張ったものを、ものの見事に簡単に覆す。

 

“フロントラインの努力は、頑張った時間は、何だったんですか?“ 。だったら、次からは、さっさと“上“を呼びましょう。何なら出だしから、“上と話したいですか?“と提案までしましょうか?となり、全ては悪循環。

 

クレーマーはどこまで行っても理不尽で、その行為は正真正銘パワーハラスメント。それに簡単に屈してしまうから、奴らは増長し続ける。そりゃそうだ。プライド捨てて、大声出して暴れれば、ビジネスクラスに座れるのだから、一旦味をしめた奴らはまたするに決まってる。この悪循環をいったい誰が止めるの?昭和の護身大魔王は絶望的。だから、フロントラインが、やっぱり悔しいから、戦うしかないと言うわけだ。

 

どうやって戦うかと言えば、

 

まずまず、毅然とした態度をとり、理路整然と理由を述べて、頑張って断ろうじゃないの。オドオドなどしようものなら、相手は即座に優位に立つから、まあ、何事も最初が肝心。けれど、上から目線で相手を見下してはいけない。“あんた何様やねん“は見透かされ、“お前の態度が問題だ“と付け入る隙を与えてしまう。あくまでも、相手は神様ではないが、お客様であることを忘れず、プロフェッショナルに徹底することが何より大切。

 

クレーマーと名がつく奴らは、慣れているから、どのぐらい声を上げ、どのくらい粘れば相手が落ちるかをよ〜く知っている。けれど、現状がその経験値を上回ると、意外と簡単に、一般的に“手がつけられない“と言うレベルへ突入する。そうなったらこっちのもの。

 

後はセキュリティーあるいは警察を呼ぼうよ。結局、手のつけられないパワハラを当事者同士で解決する事は不可能で、第三者の介入として、セキュリティーあるいは警察は適任であり、躊躇してはいけない。

 

クレーマーなんて大嫌いだ。そして、そのクレーマーをのさばらせないことは、実はそんなに難しいことではない。最終的に彼らの要求を呑まないことで、時間と体力の無駄遣いであると言うことを彼らに学ばせればいいだけのことだ。

 

若干20歳のガキは、ビジネスクラスで日本に戻っていった。そしてさらにだ、こちらでの息子への対応に不満があると、“お父様“から本社にクレームレターが届いた。それに対して、会社がなんと返事したのかは分からないけれど、やはり、日本の土壌はクレーマーにとって格好であり、今後もすくすくと育っていくのであろうか。

 

フロントラインが、頑張ってクレーマーと戦う。そして、それを“上“がちゃんとバックアップして、一緒に戦う。会社が、そして社会が一丸となって戦う!いつの日か、クレーマーに屈しない社会が来るかなあ〜、来るといいなあ〜と思っている小さな勇気の独り言である。