空港で、フィリピン人が
ある日のチェックインカウンター。今日のフライトは満席で、すでに長蛇の列。真ん中の席しか空いていないと言う最悪の状況。
‘Next please!”
〜フィリピン人編〜
(ちなみに、個人的見解による“人種の傾向“の話なので、そこんとこ、よろしく)
満面の笑顔でチェックインカウンターに来て、透かさずこう言う。“あなたのカウンターになるといいなと思っていたのよ。だってあなたの笑顔が素敵だもの“。
見え見えのお世辞だが、そう言われれば誰だって悪い気はしない。まぁ出来る事はしてあげたいと思うのが人情。でも今日は満席。出来る事などほぼない。そして、席がまだ無い彼女は、当然真ん中の席に座ることとなる。
もちろん彼女はそうは簡単にその事実を受け入れることはない。流暢な英語を武器に、やんわり反撃に出る。そう、満面の笑みで、しかし、したたかにこう言う。“きっと貴方だったら、何とかしてくれるわよね。“
うまい!これがフィリピン戦略。まずはお世辞で、距離をクッと縮めて、そのまま押し切る。
けれど、残念ながら無い袖は振れない。“すいません。本日は満席のためもう空いてるお席はこれしかないのですよ“。何かしてあげたいのはやまやまだけど、事実を繰り返すしか無い。
気持ちは、充分に、痛いほど分かる。誰だって10時間真ん中の席など座りたくはない。でも誰かが座らなければならないし、それが事前に席を予約していなかった自分だと言う事を受け入れようよ。
実らぬ押し問答の末、流石に悟る。“こいつ“は私に何もしてくれない。
そして、悟るや否や、突然変貌。笑顔は消え去り、冷たい目で突き放す様にこう言いながらチェックインカウンターを去っていく。
“役立たず“
これが、フィリピン人の典型だ。自分にとって利益があると思う人にはとても人懐っこく、低姿勢。ただ一旦、使い物にならないと判断するとその切り替えは恐ろしく早い。
フィリピン人は生きて行くための知恵に長けていると思う。その象徴が英語教育だ。貧しいフィリピンにおいて、多くの国民は幼い頃から英語を学び、その流暢な英語を武器に先進国へ出稼ぎに行く。
そして、そこで仕事を見つけ、生きていく為の処世術が、笑顔と英語あり、何よりも勤労だ。異国において、自らの戦略で、自らの道を切り開いて生きていくたくましい人種。
どんなに遠い異国にいようと、愛国心という固い絆で結ばれているフィリピン人。そして、異国で頑張る彼らは、国を出ることの出来ない家族や友達にとってヒーローであるに違いない。